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紅葉と水の物語


支笏湖畔に静かな秋がやってきました。
支笏の豊かな森は、多様な樹種と澄んだ湖水によってより美しい紅葉風景を、私たちに見せてくれます。
湖畔を散策しながら、または湖や川の水の上から…。
木と水が織り成す”秋”を、ゆっくり探してみてください。

支笏湖畔で豊かな森を感じ紅葉を愛でる秋

鮮やかに色づく支笏湖畔の植物を散策しつつ楽しむ

原始の自然がすぐちかくに息づく、支笏の森。10月下旬までの支笏湖畔は、美しい紅葉のシーズンです。「ピークは例年10月中旬ですね。『山線鉄橋』から望む紅葉も美しいですし、『市立千歳市民病院 支笏湖診療所』(支笏湖温泉3)の周囲も紅葉スポットとして知られています」と、自然公園財団支笏湖支部所長の木下宏さん。
そのほか、鮮やかな黄色に紅葉するイタヤカエデやハウチワカエデ、実が赤く色づくナナカマドやツルウメモドキ、ツリバナなど、秋の到来を実感できる樹木や植物が、そこかしこに。ドングリの実もたくさん落ちています。
1時間で森を散策できるコースもあり、樽前山に登った頂からの見晴らしもまた絶景です。暑さもおさまり快適な気温のこの季節、ぜひ、紅葉を愛でながらの湖畔散策やハイキングを楽しんでください。
さらに「紅葉のピークには少し訪れるのが遅かったかも…」という方には、バードウォッチング体験がお勧め。木の葉が落ちた後こそ、カケスやアカゲラなど、野鳥の観察に最適なシーズンです。エゾリスの動きも活発になるので、ぜひカメラを携えてお出かけください。

支笏湖畔 周辺地図

所長 木下宏さん

自然公園財団 支笏湖支部
所長 木下宏さん
1954年、北海道室蘭市生まれ。公務員生活を経て、2012年より現職。支笏湖に赴任後、趣味で花の絵を描き始め、作品の一部は支笏湖ビジターセンター内にも展示されている。

水の上から紅葉を眺めてさらに足をのばす

観光船やボートで支笏湖上に出ると、普段見ているのとは異なる風景が広がります。イタヤカエデやミズナラなどの広葉樹に、エゾマツやトドマツなどの針葉樹を交えた湖岸の紅葉が、青い湖面に映えます。また、カヌーで水上から紅葉を眺めるのも、支笏湖畔の秋の楽しみのひとつ。支笏湖ガイドハウス「かのあ」では、初心者から経験者向けまで、さまざまなカヌーツアーを用意。千歳川と沈む夕日、紅葉のアンサンブルを水の上から眺める楽しみは、また格別です。
さらに少し車を走らせると、『王子製紙第一発電所』のある『水明郷』があり、眼下に発電所を望む場所までが一般開放されています。高低差130mの渓谷は、隠れた紅葉の名所。ぜひ訪れてみてください。

支笏湖畔 周辺地図

  • 支笏湖畔 写真

  • 支笏湖畔 写真

  • 支笏湖畔 写真

    • 風がない日は湖面に紅葉が映りこみ、とても美しい。
    • 水面がコバルト色の千歳川とこうようのコントラストは、まさに絶景。カヌーに乗り水上から眺めるのも一興。
    • 「王子製紙第一発電所」の上方から望む渓谷美
  • 紅葉 写真

  • 紅葉 写真

千歳市の道の駅が今年8月に大リニューアル!

この夏、「道の駅サーモンパーク千歳」がリニューアルオープンしました。地元野菜の直売所「旬菜の館」や、北海道で人気のレストランが新登場。千歳産卵を使った丼専門店「夕焼けボウル」、千歳細澤牧場の生乳100%の濃厚ソフトクリームが味わえる「ミルキーベル 細澤牧場」ほか、個性豊かなショップが並びます。
さらに館内には、子供から大人まで遊びながら脳を活性化できる「ボーネルンド」監修の「あそびば」や、映像の中に現れるキャラクターに触れると動きが変化する「プロジェクションマッピング」などの施設もあり、ファミリーで楽しめる道の駅になりました。
併せて、メイン施設だった旧・千歳サケのふるさと館は、「サケのふるさと 千歳水族館」として装いも新たにオープンしました。メイン展示「苔の洞門と支笏湖大水槽」は、緑の回廊「苔の洞門」をくぐると、神秘の湖・支笏湖の水中世界が目の前に広がる仕掛けです。清流・千歳川に生息する魚たちを紹介する「新・千歳川水槽」は河岸の自然も再現。また12月初旬までは、秋サケの捕獲を行う「インディアン水車」の見学もできます。

  • サケのふるさと 千歳水族館

    7月25日にオープンした国内最大級の淡水魚水族館「サケのふるさと 千歳水族館」
    北海道千歳市花園2丁目312
    Tel 0123-42-3001
    http://chitose-aq.jp/
  • 支笏湖大水槽

    ヒメマスの群れが泳ぐ「支笏湖大水槽」

道の駅サーモンパーク千歳

8月8日にリニューアルオープンした「道の駅サーモンパーク千歳」
北海道千歳市花園2丁目4-2
Tel 0123-29-3972
http://salmonpark.com/

支笏湖の歴史[2]

支笏洞爺国立公園

支笏湖と洞爺湖、その周囲の様々な火山活動によって形成された山群で構成される「支笏洞爺国立公園」。戦後まもない昭和24年に国内14番目の国立公園に指定されました。
日本で国立公園の構想が生まれたのは明治末期で、大正時代に全国から16の候補地が選定されましたが、支笏湖や洞爺湖はその中に入っていませんでした。北海道では阿寒と大雪山が昭和9年に指定された後、戦争が激しくなり、青少年が体力を鍛える場として「道南国立公園」が構想されましたが、実現せずに終戦を迎えました。
戦後、アメリカから国立公園の専門家チャールズ・リッチー博士が派遣され、昭和23年に全国の国立公園と候補地を視察。その中でただ1ヶ所「次の国立公園に指定すること」と書き残したのが、支笏湖と洞爺湖だったそうです。
国立公園に指定された年、手つかずの笹原だった支笏湖畔の土地の一部が「商店街予定地」として区画されました。この計画により、支笏湖の景観を守るために点在する売店や飲食店を一ヶ所にまとめて、湖岸から離れた現在の場所に移転。多くの観光客で賑わう商店街に生まれ変わりました。湖畔や湖上から眺めた時に、多くの建物は木立に隠れ、周辺の自然景観を壊さない工夫がなされているのです。

支笏洞爺国立公園 写真

支笏湖と洞爺湖を抱く「支笏洞爺国立公園」は戦後まもなく誕生。早い時期に国立公園に指定されたことにより、原始の自然が保護され守られてきた。